日本大学理工学部科学技術史料センター
新谷洋二

新谷洋二


人物年譜
 

新谷洋二 文庫

 新谷博士は1930(昭和5)年4月26日、東京府荏原郡北品川宿(現・東京都品川区)に生まれ、東京大学工学部土木工学科で、生涯の仕事となる「都市計画」を志し、沼田政矩教授・八十島義之助助教授の下で「駅前広場の研究」に取り組んだ。その後、建設省に奉職され北海道開発局札幌開発建設部を出発点に、室蘭開発建設部を経て、1957(昭和32)年建設本省計画局都市計画課に転任、同課で係長・課長補佐に昇任した。その後、東京大学に全国で初めて都市計画を専門に研究・教育する「都市工学科」が誕生すると同時に招請されて1965(昭和40)年東京大学助教授に就任した。都市工学科では井上孝教授とともに都市交通計画の分野を担当、1978(昭和53)年同教授となり、全国初のパーソントリップ調査の推進をはじめわが国都市交通計画の礎を築いた。1991(平成3)年に定年を迎えられ東京大学を退官、同年日本大学理工学部土木工学科教授に就任した。日本大学では都市計画・土木計画分野に加えて土木史という新しい研究分野の確立にも尽力し、2000(平成12)年に日本大学を退職された。
 この間、1978(昭和53)年にそれまでの研究を集大成した「わが国における都市交通計画の方法論に関する研究」で工学博士を授与されるなどさまざまな分野で幅広い研究業績を重ね、日本都市計画学会、土木学会、国際交通安全学会、交通工学研究会などを中心に活躍し、日本都市計画学会石川賞、国際交通安全学会賞(著作部門)などを受賞した。また、多くの他大学大学院の工学研究科でも教鞭をとり、数多くの学生を指導、1989(平成元)年から2年間は(社)日本都市計画学会会長として文字通り、わが国都市計画研究のリーダーを務めた。実務の面でも都市計画行政・文化財行政に提言を行い、実際に全国各地の自治体の都市計画、都市交通計画、歴史的地区のまちづくりの指導にも当たっている。歴史を生かしたまちづくりの模索、土木史研究の確立へとさらに造詣を深めた新谷にしか整理することができない、さまざまな資料からこの新谷文庫は成っており、さらに都市計画、都市交通計画に関する貴重な国内外の文献・研究資料・行政報告書とともにこの文庫でしか手にすることができない土木の歴史や歴史を生かしたまちづくりに関する資料も含まれている。
 ページTOPに戻る
閉じる閉じる